在校生・保護者の方へ

HOME › 在校生・保護者の方へ > 校長先生のお話

校長先生のお話

2013年03月度のお話

2013年03月度のお話です。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

2013年03月19日

3学期終業式

 色々あった2012年度も早いもので3学期の終業式を迎えることとなりました。 皆にとって、3学期、あるいは2012年度はどのような1年であったでしょうか。

 昨年度(11年度)、私は2学期に六甲生の成長という観点から2011年度を振り返ってみてベスト5を挙げてみました。 覚えていますか。今回は12年度の学年末に六甲生を振り返ってみて評価できること、私がうれしく思ったことをいくつか紹介し、そして次に今年度の六甲生を「成長」という観点から総括してみたいと思います。

 まず、3学期の始業式でも触れましたが、被災地の高校生を関西に招待する企画を成功させたことを評価したいと思います。 この企画は、実行力、計画力、他校生徒とのコラボレーションとその場でのリーダーシップなど、一つだけでも大変なことなのにこれを成功させました。 大変な労力が必要で、そのため一部の生徒には過大な負担がかかったようですが、皆で協力してよくやってくれました。 能力は機会を与えられることで発揮します。 六甲生は色々なことにチャレンジして能力を磨いてほしいと思います。

 次に、仮設校舎解体に際してこれを惜しむ声がかなりあったことはとてもうれしいことであした。 日番日誌に書かれているものを読むと、仮設校舎を自分たちの成長の場としてとらえ、一時的な仮の建物ではなく、仮設校舎に仮設校舎としての完結を見ていたことが伝わってきます。 確かにこの2年間の生活が仮であってよいはずがないわけで、そこに気が付いてくれたことがとてもうれしいことでした。

 次に、中間体操を新校舎移転後も第3グラウンドで実施したことを評価したいと思います。 私は新校舎に移ってからは移動経路の問題があり、中間体操実施は無理かと考えていたのですが、生徒の委員会では細々とでもよいから実施しようということを決定して、やり遂げました。 中間体操そのものはその昔、学校が決めて今に続く行事ですが、それが今や完全に生徒のものになったといえます。

 もう一点挙げたいのが自習室&学習センターの活発な利用です。 私は、もっと勉強できる環境を学校で整えたいと考えて、高校生に対しては自習時間を8時まで延長しました。 また立派な学習センターも造りました。 ですが、環境を整えても勉強するのはあくまで生徒自身です。 どの位利用するものか様子を見ていましたが、自習室の利用者数については多いと見るか少ないと見るか意見の分かれるところですが、少なくとも使っている生徒の大半、特に高校3年生は一生懸命勉強していました。 結果も出してくれました。 新しくできた学習センターは見晴らしが良いこともあってよく利用してくれています。 これらの積極的な利用が今後の学力向上につながることを大いに期待しています。

以上が12年度の六甲生を振り返ってみて私が評価したこと、うれしく思ったことです。

次に、以上のことも踏まえたうえでのことですが、この1年の六甲生を「成長」という観点から総括してみたいと思います。

 一言でいえば、「六甲に対する誇りと自分に対する自信を深めた1年であった」と評価しています。

 新校舎が完成したことは一つの大きな要因であろうと考えています。 新校舎はおそらく君たちが想像したものと異なり、旧校舎のイメージを大きく残しただけでなく、古い時代の木の温もりを感じさせる造作になっていました。 しかも一方では学習センターや理科教室など最新の設備も備えており、君たち自身も喜んでいますが、それと共にお家の人など周りからの評判がよいことも耳にしていることと思います。 見学に来られた方々の様子も見たでしょう。他校でもそれぞれ立派な新校舎を建てていますが、伝統を大事にしつつ新しい時代に合致する校舎というはっきりとしたコンセプトを持った校舎として一味もふた味も違う校舎です。 誇れるものを持ったという点で生徒に与えた影響は大きいと思っています。

 また何度か話をしましたが、体育祭の様子がテレビ放送されたことも影響していると見ています。 どういうことかというと、我々が昔から普通にやっていることが世間の目から見ると、実はとても実行が困難で大変な行事なのだということが分かったこと。 これは君たちの自信とプライドにつながります。 これは実際にデータで見ることができます。 高校1年生を対象に毎年おこなっているアンケートがありますが、その中で「六甲に対する誇り」について聞く質問があり、誇りを持っていると答えた生徒が前年に比べて8ポイントもアップしていました。 72期と比べて先輩の71期や70期が学校へのコミットメントの度合いが低いことはないと感じているので、今年のこのポイントアップの主たる要因は体育祭放映に寄せた反響の大きさにあるのではないかと考えたわけです。

 最後にもう一点、11月に行われた小学生の保護者対象の学校見学会では初めての試みとして生徒の代表(中1指導員)が前に立って学校の説明をしましたが、この評判が良かったことを挙げておきます。 中1指導員は優秀な生徒であるから当然だと言うかもしれませんが、卒業式の答辞・送辞や生徒会の委員の話を聞いてもよい話をしてくれています。 上級生が下級生を指導する伝統は六甲においてはごく普通のことです。ですが、世間ではそれは普通のことではないのです。 この評判は六甲生全員が知るところではありませんでしたが、高2を中心にこの評判を聞いた生徒はかなりいます。 自信につながったのではないでしょうか。

 以上のようなことを見て、私は、今年は六甲生が「六甲に対する誇りと自分に対する自信を深めた1年であった」と評価したわけです。

 「成長」の観点から見たのでよいことばかりを挙げました。 もちろん改善してほしいことも多々あります。 挨拶は仮設校舎のころに比べて残念ながら若干後退したように思えます。 通学時のマナーもよくない評判を耳にします。 訓育の先生が走り回っている状況が一方ではある、このような点については来年度以降の課題として是非改善してください。

 今まで話したことは、全体を見渡しての一般的傾向としての話です。 一人一人についてはまたそれぞれ違う総括ができるでしょう。 ですから、各自でこの1年を振り返って見て自分を評価してみてください。 そして来年度の飛躍につなげてほしいと思います。

 76年目に入る来年度、六甲に対する誇りと自分に対する自信を持って過ごしてくれることを期待しながら話を終わることにします。

中学卒業式

 中学の卒業式を迎えた73期生にとっては六甲での生活の前半の3年が終わったことになります。 73期は中1の7月までは旧校舎、途中の2年3か月が仮設校舎、中3の11月から新校舎での生活となりました。 めまぐるしく変化した3年間であったわけですが、それだけにかえって思い出深い中学校生活となったのではないでしょうか。

 今年は創立75年ということで、私にとっては六甲とはどのような学校かということを考える良い機会となった年でした。 おそらくこれは君たちにとっても程度の差こそあれ、六甲という学校を考えるいい機会になったことと思います。 4月から高校生になります。 六甲中学を卒業する今、この3年間を振り返ってみてください。 そして、六甲であと3年間過ごすことの意味をじっくり考えてみてください。 そうすれば充実した高校生活を送ることができると思います。

 そして、君たちの中には中学卒業と同時に色々な事情から六甲を去る生徒がいます。 君たちの歩む道は六甲高校に進む友だちとは異なる道となりましたが、君たちには新しい舞台が待っています。 新しい舞台で存分に活躍してください。 「善き人間」という目標に到達する道としてはどこを通っても同じだと思います。 六甲時代に培った友情、思い出を心の糧として自分に与えられた道を信じて進んでほしいと願っています。

 73期生に神様の豊かな恵みがあることを祈りながら式辞といたします。